薬剤師が来院した患者に薬を出すためには、様々な制約が存在します。
先確認としてこれまでの服用歴を知っておくことの他に、アレルギーなどの体質的な問題も把握しておかねばなりません。
それらの情報を電子データとして記録しておくことにより、患者が来院した際にすぐに記録を呼び出し、薬を出してあげられるというのが電子薬歴の持つメリットであると言えます。
そういう利便性やアクセスのしやすさが特徴でもあるのですが、実はこのシステムにはもっと別の長所も存在しているのです。
薬を出すからには、当然薬局にはそれらの在庫がなければいけません。
大きな病院にある薬局の場合には一年間にかなりの数の患者がやってくることは予想されます。
そのために在庫として持っていなければならない薬の数や種類は膨大になり、それらの管理にもかなりの手間を割かれます。
その点で、電子薬歴はそういった在庫管理にも役立つようになっているのです。
患者のデータが記録されることにより、どのくらいの周期で患者が病院にやってくるのかのスケジュール管理も可能になります。
数ヶ月に一度の単位で病院にやってくることが予想できるため、どのくらいの時期には薬をどれくらい用意しておく必要があるか、はっきりと必要な在庫量が割り出せるということになるのです。
薬は健康維持のために欠かせないものなので、それらの品質保持には細心の注意を払わねばなりません。
必要量が常にわかっていれば無駄なく在庫管理ができるので、薬剤師にとっては大きな助けになることは間違いないです。